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ヨルシカ Live tour 2021 盗作

新しい Live 体験

Live といえば入場曲やアーティストの入場からセットして曲が始まると思うのだが、ヨルシカはLiveのコンセプトとなる物語を n-buna さんが朗読するところから始まる。朗読内容はプロジェクターに移されたきれいな夏の映像とともに映し出され、また夏の中に自分が戻ったような感覚になる。買ってないのでわからないのだが、この本の内容は初回限定盤の盗作アルバムのノートの一部なのではないだろうか。内容は、一人の男の追想なのか夢なのか、ある夏の日のささいな思い出。同級生?と話している何気ない日常。花火大会に行く道中での幽霊の話。生まれ変わりの話からの前世の話。この前世は前回のLive tour のタイトル。話がつながっているのかと何かワクワクする。男は結局それが自分が作り出した寄せ集めの記憶だと気づく。それは盗作なのだと。そこで Live は終わった。盗作アルバムの内容をさらいつつ、映像と小説の内容で一つのドラマに仕立て上げていた。入場時には男が話していた少女と幽霊の会話の内容が記されたブックレットがもらえる。これでLiveの内容の補完ができる。単純に音楽とフロントマンを見て楽しむLiveではなく、自分の感性や思考で色々楽しめるものでいいなぁと思った。

新しい音楽の売り方

このように Live がアルバムの1つの物語を追っているのでアルバムに付録としてついている物語が欲しくなる。アルバムにはコンセプトとなる小説?がついているのだ。4 ~ 5千円と少し高く感じるが、アルバムを深く理解したりLiveを楽しむグッズとしては必須に思う。アルバムだけ売っていてもサブスクで聞ける今、アルバムを買う意味を音楽を物語として提供することで作り出している。別に彼らが商売のためにそうしているわけではないのだろうけど、いい形で彼らの活動の糧になっているんだと思った。欲を言うと、CD は持っていてもしょうがないので映画館みたいにパンフレットの形で売ってくれると嬉しい。

3次元のヨルシカ

n-buna さんが思ったよりロックでギターかき鳴らしていて熱い人?なんだと印象が変わった。suis さんはすごい痩せていてちょっと心配になった。前回Liveではロングヘアだったけど今回は肩くらいまでのボブでエメラルドのような髪色。暗めの曲のときは魔女に見えたし、夏の亡霊のときには儚げのある女性に見えた。爆弾魔のときも少し怖かった。そのくらい曲によって見え方が異なり、曲コンセプトの表現力がすごいと思った。今までは素性もしらないヨルシカの作った曲が好きで聞いてきたので Live にいって、作った人が見えたら聞き方も変わるのかなと思ったけど、あくまで彼らは作ったストーリーを表現することに徹しているので、リスナとしては音楽を出してくれる実体を気にしなくてもいい。リスナは彼らの作った物語や美しい音楽に没入したいので主役は正直彼らではないから実体がなくても楽しめる。本当にヨルシカを作る、演奏する人たちがいたんだという実感はあったけど

その他

今回の Live が良かったので前作の前世のdvdを購入。配信で見聞きしたけどまたあの美しい音楽をもう一度聞きたくなった。今回の Live とのつながり、次回のLiveへのつながりを楽しみにまた聞いてみる。

一番聞きたかった又三郎は聞けず残念、しかし盗作アルバムで聞き逃していたレプリカントがとてもよかったのでよしとした。おそらく、アルバムに収録された次のツアーで披露されるだろう。彼らがアルバムコンセプトを忠実に再現するというのがわかったので、収録されれば必ず聞けると期待。